たて森 店主
建守 護
【profile】料理学校卒業後、ホテル・オークラの懐石料理にて和食の道を歩み出す。21歳でアムステルダムへ転属。シカゴ「初花」、ニューヨーク「NOBU」にて経験を積み、ハワイの「マンダリン・オリエンタル」では料理長に就任。帰国後、サントリービア&スピリッツ株式会社(現:サントリー酒類)に入社。グルメスーパーバイザーとして、メニュー開発や店舗の立ち上げを経験。2012年11月に独立。「鶏料理 たて森」をオープン。雑誌PENの「世界に誇るべきニッポンの100人」に選ばれる (2015年発行)。
独立の方法というより、繁盛させる法則を学べます。
残念ながら、料理がうまいから繁盛するわけじゃありません。繁盛する法則を理解しているかどうか。その法則を多くおさえるほど成功する確率が高まります。そして、その確率を上げられるのがサントリーだと思うんです。いいスタートがきれるお店の立ち上げ方、やってはいけないお店の立ち上げ方、全て学べます。今のお店にもその時の経験がちりばめられています。例えば料理。お店でワインを出しているですが、最初はまったく考えになかったんです。案件を通して「焼鳥×ワインがいける!」と考えて決心しました。逆に、お客様からの要望を受け入れすぎるとメニューがぐちゃぐちゃになり、業態が成り立たなくなります。そういうお店もたくさん見てきました。かといって耳を傾けなければ、そのまま店も傾きます。軸はあっても、変なプライドは持たないようにすることが大切ですね。料理だけじゃありません。お店のカウンターの幅、照明、天井の高さ、全てに意図があります。玄関はあえて大雑把に見せているんです。中に入ってきたギャップを狙って。これも経験から抽出されたものですね。
サントリーにいること自体、追い風になります。
この物件、実はサントリーに探してもらったんです。個人だったら、こんないい場所取れないです。正直、審査も通りやすいです。あと、独立は和食料理を考えていました。ただ、サントリーで働いているときに、養鶏家に会う機会がありまして。ミシュランの星がつくレストランに卸しているような方なのですが、オリジナルの鶏を作ってくれるということが、焼鳥をはじめる決め手となりました。ふつう、フラッと行って「鶏をつくってほしい」といっても、ムリだと思いますが、そこもサントリーの信頼性が大きいと思います。開業するときにも、ワインに詳しい方に手伝ってもらったり、食器は同僚から紹介してもらった伊賀や成田の職人につくって頂いています。なかでもありがたかったのが、オープン当初ですね。お客さまが来ない時期に仲間で来てもらったり、宣伝してもらったり。非常に心強いです。ここまでサポートしてもらえる知り合いなんて他にいませんから。
焼鳥で、海外へ飛び出そうかと思っています。
サントリー時代、たくさんの経営者を見てきました。だからわかるのですが、自分はやっぱり料理人なんですね。多店舗展開は、多分しません。ただ、海外を狙っています。世界に和食が広がるまで10年かかりました。天ぷら、寿司、うどんは既に受け入れられています。焼鳥は、これから。タイミング次第ですね。まだ先の話なので、今はお店をしっかり切り盛りしたいと思っています。あと、食育にも興味があります。未来の子どもたちにカラダにいいモノを届けたいですから。…と、いうような話をしていると、選ばれたんです。雑誌Pen「世界に誇るべき ニッポンの100人」に。ありがたいことなのですが、最初は、なぜ自分がという「?」が浮かびました(笑)。こうやって海外を見据えたり、食育について興味を持つようになったり、いろんな方向性を見て考えて、それから自分のベストを選択するようになったのは、まぎれもなくサントリーのおかげです。「自分は和食で生きてきたのだから、これしか無い!」という視野だったら、きっと海外にも目もくれなかったかもしれませんね。
ロケ地:鶏料理店 たて森
店内にカウンターしかない理由は、出来たてをすぐに提供するため。東銀座という激戦区にて2ヶ月先まで予約が埋まっている鶏料理店、それが「たて森」です。ミシュランの3つ星店に鶏を出荷する北丹波農園・高坂さんがこのお店のために新たに改良した「高坂和鶏」を使用した焼鳥は絶品です。
※お店情報につきましては、2017年4月末時点の情報です。
建守 護さんにつきましては、新たなキャリアを築かれています。
サントリー・グルメ開発部で働くことにご興味のある方はこちらからご応募ください。